2013年10月21日月曜日

うつ病の原因

NHKスペシャル 「病の起源 第3集うつ病 防衛本能がもたらす宿命」 が10月20日(日)夜9時から放送されました。

なぜ、私たちはうつ病になるのでしょうか?
その秘密が、意外にも5億2千万年前に誕生した魚の研究から明らかになってきました。魚でも、「ある条件」を作ると、天敵から身を守るために備わった脳の「扁桃体(へんとうたい)」が暴走し、うつ状態になることがわかってきたのです。

とのキャッチコピーでしたが、「ある条件とは」天敵の魚と1ヶ月間同じ水槽に入れられることでした。
思わずその魚に同情してしまいました。

また、うつ病と無縁な人々ということで、獲物を平等に分けあうアフリカの狩猟部族が紹介されました。

せっかく、扁桃体の暴走がうつ病の原因であるという話になったので、もう少し詳しく言うと

扁桃体が興奮する(多くの血が流れ込む)と、以下の反応が起きます。
1 扁桃体の興奮が副腎に伝わり、副腎がコルチゾールというストレスホルモンを出す。
2 「危機に対処しなければならない」ということで、副腎からノルアドレナリンが放出される
3 「今は落ち着いている場合ではない」ということで、セロトニンの放出を抑制させてしまう

問題は、扁桃体の興奮が収まらずにコルチゾールが出続けると、短時間ならば肉体の働きを活発にさせる一連の反応が、悪影響を及ぼすようになることで、
1 コルチゾール過剰が脳の血流を悪くして脳細胞に栄養が行き渡らなくさせてしまい、その結果海馬等では脳細胞が死に始める。
2 ノルアドレナリンの過剰放出により、やがてノルアドレナリンが枯渇し、意欲がなくなり無気力になる。
3 セロトニンの生成が抑制されることにより、安心感や満足感が脳細胞の間に伝わることが減り、不安感や焦りが抑えられなくなる。

こうした結果、うつ病が発症するという流れの様です。

ストレスのない平等な社会を作るのは難しいので、ポイントとなるのは、ひとりひとりのストレスの受け止め方だと思います。




2013年10月19日土曜日

マインドフルネス瞑想会を行います

1.会 場  稲城市城山文化センター 2階
         
     稲城市向陽台6丁目7番地     TEL 042-379-5411
         
     京王相模原線稲城駅徒歩14分、JR南武線南多摩駅徒歩12

2. 日 時  11月 2日(土)講座室
                          30日(土)中会議室
           12月 7日(土)第2和室
             21日(土)第2和室
午前10時~12

3.参加費  無料

4.連絡先mindfulness2315@gmail.com

5.瞑想会スケジュール
(1) 立位のマインドフル・ヨガ   (15分)
(2)-1 ボディスキャン瞑想    (15分) 
 「中へと呼吸する」 鼻先→ 下腹部 下腹部→ 鼻先
 「感覚と共に呼吸する」 足先部から頭頂部まで意識を移動する
(2)-2 慈悲の瞑想        ( 5分)
  苦しみから放れ 幸せでありますように
  自分自身→ 大切な人→ すべての人
(2)-3 静座瞑想(ガイド付き)  (20分)
 〇 呼吸と共に座る
   〇 呼吸と体の一体感を味わいながら座る(音、思考)

         (休憩)
(3) 歩行瞑想           (15分)
  片足が、上がり→ 運び→ 降りる
  足裏の感覚に注意を置く
(4) 静座瞑想(自主瞑想)     (40分)
(5) 意見・感想

2013年9月24日火曜日

子供たちにマインドフルネスを教える方法

ハフィントンポストの記事です。




これはストレスレス子育てクラブにおけるマインドフルな子育て講座(ワークショップ)の最終的なメッセージです。私たちのリーダー、Carla Naumburgは私たちがどのようにマインドフルネスを子供たちに教えることができるかを説明しています。

”マインドフルネスは誰かを口で攻撃しません”

これは学校で5週間のマインドフルネス・トレーニングプログラムを完了したばかりの11歳の少年の言葉です。ニューヨーク・タイムスで報告された簡潔な意見ですが、忍耐力や欲求不満への耐性が増すことを含め、マインドフルネス・トレーニングのいくつかの感情面、心理学面の利点と困難な状況や激しい感情のさなかに落ちついていられる能力について述べています。

子供たちに、癇癪を起すかわりに言葉で接し、おもちゃを投げつける代わりに深呼吸することを望まない親はいないでしょう?子供たちはこうしたスキルを身に付けることによってより良くなりますが、生涯をかけて学ぶことが必要です。(私は大声をあげるのが嫌だったので35歳の時瞑想を始めました)幸い、私たちはこれらのスキルを今、子供たちに教え始めることができますし、・・・この11歳の少年の言葉によって証明されるように・・・どのように行うかについての多くの研究と情報を持っています。

あなたが始めるためのアイデアを紹介します。

1 ブレネ・ブラウン氏によると、私たちは自分たちが持っていないものを子供たちに与えることはできません。マインドフルネスを実践していないなら、子供たちに教えることはできません。私たちが瞑想している様子を毎日見せなければならないということはありませんが、人に教える前に、マインドフルネスへの挑戦と訓練の成果についての個人的な経験が必要です

2.私たちがマインドフルネスを教えなくても、子供たちは私たちの実践から直接恩恵を受けます。クリスティーヌ・カーター博士はマインドフルな子育ての効果を調査・研究に記述しています。驚くことではありませんが、マインドフルネスを実践している両親たちはより子育てを楽しんでいます。さらに興味深いことに彼らの子供たちはマインドフルネスのスキルを教えられてなかったにもかかわらず、より良く振るまったり攻撃的でなかったりすることがわかりました。

3 あなたが何か特別なマインドフルネスのスキルを教えようとするなら、その子にふさわしい活動を選びましょう。基本的には、子供たちにゆっくりと行動させるとともに、彼らが理解できるような方法で注意を向けさせることです。私の娘は食べ物に対して好き嫌いが激しく、味や香りを十分に楽しむことはないので、このシンプルな「レーズンの瞑想」は、おそらく彼女のためには良い選択ではないでしょう。彼女は非常に視覚的なので、私たちはグリターワンド(キラキラした杖)を使います。(自宅ではグリタージャー(キラキラした瓶)も作れます)。私たちがそれを振り上げた時きらめきが下に落ちるのを見られます。私の下の娘は、音楽や音が大好きなのでベルを鳴らしその音が完全に消えていくまで聞いているのが彼女にとっては良い選択なのです。

4.年長の子供たちは、あまり助けを借りずに呼吸瞑想をすることができるでしょう。
しかし幼い子供たちには呼吸に集中するのにより具体的な助けが必要かもしれません。
あなたは彼らをあおむけに寝かせお腹にぬいぐるみを置いて呼吸と共に上下させたり、私の娘が大好きな花、泡呼吸を試すこともできます。花やバブル・ワンド(シャボン玉を作る道具)を持たせその手を口の前に持ち上げさせます。彼らは花の香りを吸い込んだり泡を吹き飛ばしたりできます。(もちろんあなたはいつも本物の花や泡を手に入れることができます・・・これらはマインドフルネスにとって素晴らしいものです・・・この行動はピンチの時にうまくいきます)

5.強制してはいけません。もしあなたがやろうとしても誰かに注意を払うよう強制することはできず、マインドフルネスは決して罰ではありません。もしあなたの子供たちが気づくことができたなら、それは素晴らしいことです。もしできなくても、いずれ出来るでしょう。あなたにできるのは練習をして、子供たちがいつかあなたが望む人になるよう続けていくことです

もしあなたが子どもたちへのマインドフルネスの教え方をもっと学びたければSusan Kaiser GreenlandによるThe Mindful ChildDr. Christopher Willard Child’s Mind
を調べてください。Kerry LeeMcLean の絵本も幼い子供たちとってとても良いでしょう。


これは今週のストレスレスへの挑戦です

  あなたの一日の練習の中から一つの動作を選んで、より気づきを持って練習することを続けてください。
  もしあなたがまだ瞑想をしていないなら、ぜひ始めましょう!もしあなたがすでに行っているのなら続けましょう!
  マインドフルネスの動作の中から一つを選んであなたの子供と一緒にためしてみましょう。もしうまくいかなくてもストレスに悩まないように。子供たちはマインドフルネスの練習から大きな恩恵を受けることを覚えていてください。


2013年7月26日金曜日

SSRIとうつ病の増加(facebookより)

一也本田さんのfacebookの記事です。

以前(10~14年前)、精神医療産業は、うつ病は薬を飲めば治る病気だとTVやインターネットで散々宣伝してきました。その時期は、ちょうど新型抗うつ薬SSRIの販売開始と重なります。

「あなたは大丈夫。知らざる病、こんな症状があれば**病」と言うように、・・
そして、「うつ病は誰にでもかかる可能性がある病気で」「うつ病は適切な治療で治ります」「早期発見が必要」とも宣伝してきました、「うつ病のチェックリスト」が病院に置いてあったり、テレビ番組やCM、雑誌などでうつ病を周知させる特集があり、たくさんの人が「うつ病」は特別でないのもだと思わなくなり、自分にも関係あるのではないかと意識する人が年々増え始めたのです。
この情報の罠に掛かった....、我々は、ちょっとした気分の落ち込みも、「うつ病かもしれない」とすぐに発想するようになるくらい、しらず知らずのうちに、情報に影響を受けてしまったのです。
また、彼ら(製薬系)は「医師の指示通りに飲めば安全な薬」だと説明してきました。
そして、TCA(三環系抗うつ薬)が主流でしたが新薬SSRI(選択的セレトニン再取込阻害薬)に替わり、今よりよく効く新薬が発売されたにもかかわらず、実際にはその販売年からうつ患者は、年々増加して、どの国よりもSSRIが導入されると、患者はうなぎ登りに増加したのです。

新規抗うつ薬「SSRI」だ。 年間販売高が170億円台だった抗うつ薬市場は、1999年にSSRIが登場してから急伸。 2007年には900億円を超えた。 1999年から2005年までのたった6年間で、うつ病患者は2倍以上に激増。

しかし、医師の指示通りに服用しても治らないという「うつ病患者」が続出しました。・・・それどころか、躁転し、事故や事件を起こす事例が多発しました。

抗うつ薬の効果を誇張してきた彼ら(TV/メデア/製薬会社など)は、責任を取るべきなのですが...
しかし、彼らはそうせず、さらに情報を操作して、うつ病と誤診されやすい「双極性障害」が見過ごされてきたと主張し始めました。

うつ病”治療”によって悪化させられた患者は、新たに「双極性障害」というレッテルを貼られたのです。
そこでは、「専門家でも判定が難しい」と繰り返し誇張されることで、治療の失敗や誤診が正当化されているのです。

そして、双極性障害に関する適応が取得できそうな見通しがたつや、露骨なマーケティングが開始されました。しかも、今回は「治る」とは約束していません。

再発防止という理由で、一生患者に服用させ続けるのです。...完寛というまやかしの言葉を操って..今でも長期服用での副作用患者も残念ながら年々増加してるわけなのです。
現在の医療制度は、有効性がない薬に対して自浄作用を持っていないということです。
重篤な副作用がある薬に関しては、まだ自浄作用が発揮されやすい(薬害を訴える患者団体は、重篤な副作用がある薬への自浄作用も低いと抗議されるかもしれないが...)。重篤な薬害にあった患者や、それを目の当たりにした一部の医師は、必死になって薬の販売中止を訴えています。 しかし、効果のない薬というのは、薬が効かないからといって必死になって抗議活動を行う患者もいない。その結果、処方薬が一旦承認されてしまうと、そのままずっと使い続けられるのです...「病気の再発防止」という理由で..




冨高 辰一郎著、九州大学医学部卒 「なぜうつ病の人が増えたのか」参照
~「SSRI」という抗うつ薬が販売されてから、うつ病患者が激増していること。
うつ病患者が増えると同時に、メンタル休職者が増えていることを教えてくれる書籍です~

2013年7月25日木曜日

こころのセミナー

NPO法人うつ支援ネットワークの「こころのセミナー」で「マインドフルネス認知療法」の概説と実習を行います。

■日時・場所;8月18日(日)13:00開場 13:30開演 16:10頃終了予定   

■会場:用賀区民集会所 大会議室  住所:東京都世田谷区用賀4-10-6 世田谷ビジネススクエアヒルズⅢ(東急田園都市線・用賀駅から徒歩5分) 

■参加費:1000円

第一部 13:30~14:30 「うつ病の仕組みとその治療について」石黒 慎
第二部 14:40~16:10 「マインドフルネス認知療法」山本 正見
<概要>マインドフルネス認知療法は、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)と認知療法を組み合わせたプログラムです。うつ病の再発予防のために開発されましたが、ストレス対処法として役立つ理論と実践になっています。その仕組みについて、心理学と仏教瞑想の伝統を踏まえて説明するとともに、御自分でも実践できるように、中核となっている瞑想法について実習を行います。


http://kokucheese.com/event/index/102180/

不知火病院のうつ病治療法

福岡県大牟田市の不知火病院は、地方都市にある民間の中規模病院だが、1989年に日本初のうつ病専門治療施設「ストレスケアセンター」を開設して以来、先進的な医療機関として注目を集めてきた。

2003年からは復職支援を本格始動させ、10年経った現在は入院患者向け1種、外来患者向け2種のプログラムを開いている。各プログラム導入者の復職率は、直近データで86100%というハイスコアだ。

不知火病院には、この病院ならではの特徴がいくつもある。「薬をなるべく使わない」という治療スタンスもその1つだ。徳永雄一郎院長が説明する。

「薬物療法も必要ですが、それだけでうつ病が治るかといったら、簡単にはいきません。薬で症状が治まったとしても、いずれ再発してしまう可能性が非常に高いのです。うつ病の再発率は、最初の発症から5年以内で3040%、10年以内では7080%といわれています。だから再発させない治療こそが重要で、そのためには心理的なアプローチが必要です。うつ病を患った原因は何なのか。本人の性格要因なのか、職場の要因か、家庭の要因か。そこを丁寧に調べながら、1人ひとりに合った治療をしていくのです」

うつ病患者には、とにかく抗うつ薬を処方。調子が上向かなければ薬を増量、あるいは他の薬を追加。再診以降はいわゆる3分間診療……。それが一般的なうつ病治療の現実だ。だが、不知火病院は薬物療法を「対症療法」と位置づけ、より根本的な治療として、認知行動療法をはじめとしたカウンセリングに力点を置いている。

2013年6月19日水曜日

非思量について

曹洞宗の 南直哉 師が「非思量」の状態への導き方をブログに記載しています。MBSRの静座瞑想 - あるがままの意識と共に座る- の参考になると思われるので紹介します。


 まず第一段階では、上記(注:筋肉の支えを借りずに、骨格のバランスだけで「正身端坐」の姿勢を作ること)の身体状態を作り出し、これを安定させることに意識を集中します。特に余分な力がどこかに残っていないか点検し、姿勢のブレを正すことが必要です。

(略)

第二段階として、意識の方向を変え、まず最初に聴覚に向けます。どうするかと言うと、あらゆる音を無差別に、吸い取るように「拾う」のです。何の音かは一切判断しない。言わば、「聞く」のではなく「聞こえている」だけの状態に持ち込むわけです。

(略)

これがある程度できたら、第三段階として、聴覚で起きている受動的な感覚状態を、身体全部に拡大します。聴覚から意識を身体に振り替え、さらに身体内部にまで引き込んで、結果として、身体全体を内側から感じる、あるいは感じられるようにするのです。

皮膚の表面(というよりも身体内外の境界)にも何かが感じられるでしょうし、内臓も動いています。そうした感覚を、これまた、それが何であるかを判断することなく、ただ徹底的に感受するわけです。つまり、私の行う坐禅は、「精神集中」ではなく「感覚開放」なのです。

http://indai.blog.ocn.ne.jp/osorezan/2012/10/post_409c.html

2013年5月13日月曜日

幸福の追求


私たちは、何かを行ったり、達成したり、作り上げたり.…そうした時にだけ幸せを見つけ、幸せと感じることができると考えています。

しかし、幸福は追い求められているときには現れません。

幸福を達成するための努力は必要ではありません。
幸福はありのままの状態です。
すべてをそのまま、ありのままにするとき、幸福への条件が開かれるのです。
人生には常に、良い時とそうでない時がありますが、人生という偉大なゲームにおいて、気づきを持って観るなら、幸福な瞬間は常に存在しています。例えば、どんよりと曇った日にタンポポを見つけてうれしく思うように。

幸福はすべての人の目の前にあります。しかし、それがそうあってほしいという期待や欲求、夢があるため、しばしば見えないのです

幸福を追求する必要はありません。
それはすでに存在しているのです。
In pursuit of happiness.

We have an idea that when we just get this done or achieved this or made this or .......
Then - and only then - we can find and feel happiness.

But happiness doesn’t show up when being chased.

Happiness requires no effort to achieve. Happiness is a state og being. A condition that is opened for us when we dare to be with everything that is - exactly as it is. When we dare to acknowledge that life will always contain both good days and not so good days, but that in life's great game there will always be moments of happiness when we look with awareness. E.g. being grateful looking at a dandelion on an overcast day.

Happiness is here for everyone, right in front of us. But often we don’t see it because of our expectations, demands and dreams of how it should look in our edition/mindset.

You don't have to go pursuing happiness.
It’s already there.

2013年5月1日水曜日

マインドフルネス瞑想の理解を深めるために


マインドフルス・ストレス逓減法(MBSR)やマインドフルネス認知療法(MBCT)の基礎となっているマインドフルネス瞑想は、「呼吸によって生ずる感覚」を瞑想の対象として、「気づき」と「集中力」を並行して高めていくもので、「アーナーパーナサティ・スッタ」に沿って訓練が進められます。

マインドフルネス瞑想をより深く理解するためにはヴィパッサナー瞑想の知識が必要ですが、ヴィパッサナー瞑想は流派が多いので注意してください。
私が読んだ本の中から、参考文献として、以下の4冊をお薦めします。

1 『マインドフルネス・ストレス逓減法
  J・カバットジン著 春木 豊訳 北大路書房
  何といってもこの本が出発点です。MBSRのプログラムが説明されており、マインドフルネス瞑想の入  
  門書です。


2 『うつのためのマインドフルネス実践』 慢性的な不幸感からの解放
  マーク・ウイリアムズ、ジョン・ティーズデール、ジンデル・シーガル、ジョン・カバットジン著
  越川房子、黒澤麻美訳 星和書店
  2012年11月に発行された、MBCTを自習するための実践書です。CDが付いており、音声ガイドに 
従って瞑想を実践することができます。マインドフルネスの具体的な実践方法がMBSRより詳細に説
明されており、参考になります。

3 『呼吸による癒し』 実践ヴィパッサナー瞑想
  ラリー・ローゼンバーグ著 井上ウィマラ訳 春秋社
  J・カバットジンが序文を書いており、著者を「ダルマ・ブラザース」(法友)と呼んでいます。
  二人は共通の理解に立脚しており、MBSRの理論的な背景に対する理解を深めるのにとても役立ち
ます。

4 『マインドフルネス』 気づきの瞑想
  バンテ・H・グナラタナ著 出村佳子訳 サンガ
  マインドフルネスの実践入門書として、米国で出版以来20年以上にわたり読み継がれているロング

セラーです。ヴィパッサナー瞑想としてのマインドフルネス瞑想がとてもわかりやすく説明されていま
  す。

2013年4月29日月曜日

ビジネスマンのストレス対策


経済誌フォーブスのインターネット版(4/24/2013)にビジネスマンのストレス対策に関する記事があり、3つのマインドフルネス・エクササイズが紹介されていました。

1)   ボディースキャン
楽な姿勢で座り、つま先から始め、身体のそれぞれの場所で感じる感覚に注意を向けます。
そうした感覚の良し悪しを判断したり、変えようとしたりすることなく、ただそうした感覚に気づうにしましょう。
身体全体を5分間かけ、下から上、そして上から下に気づきを移動させましょう。

2)    3分間呼吸空間法
多忙でストレスの多い1日に静けさを取り戻すための方法です。立っていても座っていてもかまいませんが、3分間目を閉じて行います。
最初に、あなたが考えたり、感じたりしていることに、ただ気づきを向けましょう。
次に、呼吸の速さや、きめ細さなどに注意し、気づきを向けなおしましょう。気持ちが乱れたときは呼吸の感覚に気づきを戻すのです。
最後に、気づきを身体全体に広げましょう。

3)    日常生活でのマインドフルネス
シャワー、通勤、歯磨き、コーヒーを飲むなどの日常の活動の中から一つを選び、あらゆる感覚や動作に気づきを置き、マインドフルに行うようにします。

2013年4月10日水曜日

2013年4月6日土曜日

集約した練習法のガイダンスと音声ガイドを作ってみました。


マインドフルネス・ストレス低減法の集約した練習法のガイダンス

Ⅰ ボディー・スキャン瞑想MBSR 139p、簡略版)
1 背筋をのばし、楽な姿勢で、ゆったりと座り、目をそっと閉じましょう。
2 下腹部の感覚に意識を置き、息とともに、下腹部が膨らんだり、縮んだりする感覚を感じましょう。下腹部の感覚を感じとれたら、鼻先にもかるく意識の焦点を置きゆったりと呼吸しましょう。
3 鼻先から下腹部まで、ゆったりとした呼吸のリズムを感じましょう。[中へと呼吸する]
4 次に、ゆったりと息を吸い込み、注意の焦点を身体の特定の部分に運び、2、3回呼吸をします。
背景では呼吸に気づきつつ、前景では特定部分のあらゆる身体感覚を探り、感覚と共に呼吸しましょう。[共に呼吸する]
次に吸う息と共に注意の焦点を左足のつま先まで移動しましょう。注意を足の裏、足の甲側、すね、太ももに移しましょう。
今度は右足のつま先、足の裏、足の甲、すね、太ももに移しましょう。骨盤の部分に移しましょう。お尻の部分も意識し、この部分全体を感じましょう。
次に注意の焦点を腰、背中の上半分、お腹と脇腹、肋骨と胸の部分に移動しましょう。
  両手は同時に行います。両手のひら、腕の下部、上腕、肩に移動しましょう。
6 次に、首と のどの部分に移動しましょう。顔全体を感じましょう。後頭部に移しましょう。最後に頭頂部に移しましょう。
  このあと、少し時間をとって、全体としての身体の感覚に気づきを向けましょう。

Ⅱ 慈悲の瞑想MBSR 311p)  
1 自分自身を包みこむような イメージを思い描き、「苦しみから放れ 幸せでありますように」と、吐く息と共に心の中で3回、念じましょう。
2 自分が敬愛する人や大切な人を目の前に思い浮かべましょう。そして、その人に対し「苦しみから放れ  幸せでありますように」と、心を込めて、3回念じましょう。
3 最後に、すべての人々に対し、「苦しみから放れ  幸せでありますように」と、3回念じましょう。    

Ⅲ 静座瞑想MBSR 110p)
〇 呼吸と共に座る                               
1 鼻先に意識を置き、呼吸により空気が接触する感覚の変化に「気づき」を向けましょう。
鼻先の感覚を感じにくい場合は、お腹が膨らんだり縮んだりする感覚に注意を置きましょう。
息の感覚の波に乗りましょう。
2 注意がもはや呼吸に向いていないと気づいたら、心がどこに行ってしまっていたのかを簡単に確認し、(「考えている」など)、それから身体感覚の変化に注意を穏やかに戻しましょう。

〇呼吸と体の一体感を味わいながら坐る
1  呼吸への気づきが安定したと感じたら、呼吸している身体全体の感覚に注意を向けましょう。呼吸を背景化し、身体全体に焦点をあわせましょう。身体とその感覚領域のすべてを感じましょう。
2 心がさまよい離れたら、何が心の中にあったのかを確認し、体全体の感覚に優しく注意を戻ましょう。
3 身体の特定部分に強い感覚を感じたら、ボディー・スキャン瞑想でしたように、そこから息を吸ったり、吐いたりしましょう。
4 音に気づきが向いたら、感覚としての音に気づきを置きましょう。あらゆる音を無差別に拾い、何の音かは判断することなく、いわば、「聞こえている」状態になりましょう。
5 思考が浮かんで来たら、思考を自分の意識と切り離し、「心の中の出来事」として行き来をさせましょう。
6 身体をゆすったり、手のひらを握ったり開いたりして、身体に感覚を戻して静座瞑想を終わりまょう。

2013年3月31日日曜日

マインドフルネス瞑想講座を開催します


・・・ストレス耐性が増し、物事に柔軟に対処できるようになります・・・  

マインドフルネスとは、今の瞬間に常に気づきを向け、現実をあるがままに知覚して、それに対する思考や感情にとらわれないでいる心の持ち方です。

マインドフルネス・ストレス低減法(MBSR)は、ジョン・カバットジン博士が仏教瞑想から開発したストレス対処法で、1979年からアメリカ、マサチューセッツ大学医学部で、慢性疼痛に悩む患者などに実施され、生活の改善に大きな効果が認められています。また、MBSRと認知療法を組合せたマインドフルネス認知療法は、うつ病の再発を防ぐ効果が実証されています。

 この講座では、MBSRの主要な実践であるマインドフルネス瞑想を集約した練習法で実習します。1回でも参加できます。

 講座の概要(平成25年4月、5月)


1.    会 場 稲城市立iプラザ会議室(小または中会議室)

 稲城市若葉台2-5-2  TEL 042-331-1720 京王相模原線若葉台駅徒歩2分


2.    日 時

 4月 6日、511日(土)概要、「ボディスキャン・慈悲の瞑想・呼吸瞑想」


4月13日、518日(土)マインドフルヨガ、静座瞑想(一体感)、歩行瞑想


4月20日、525日(土)静座瞑想(音、特定の感覚)、3分間呼吸法


4月27日、6 1日 (土)静座瞑想(思考)



午後1230分~1500



3.    会 費  1  500


4.    定 員 10人程度



5.    講 師  産業カウンセラー 山本 正見 (職場内の労働安全衛生を担当)


      上座仏教修道会会員(ミャンマー出身のニャーヌッタラ長老に師事するなど
 

9年間上座仏教のヴィパッサナー瞑想を実践している。)



平成2411月に総持寺で行われたジョン・カバットジン博士の3日間ワークシ


ョップを終了



6, 申込先 mindfulness2315@gmail.com   氏名を記載してメールで申込でください。



2013年3月17日日曜日

集約した練習法


 ジョン・カバットジン博士が開発したマインドフルネス・ストレス逓減法(MBSR)では、
  1~2週 ボディ・スキャン 45分、静座瞑想10
  3~4週 ボディ・スキャン又はヨーガ瞑想 45分、静座瞑想20
  5~6週 ヨーガ瞑想又は静座瞑想 45
   7週 自由な組み合わせ 45
   8週 独自のプログラムづくり
  という形で8週間のプログラムが示されています。

しかし、一般の日本人がこのままの形で実践するのは時間がかかりすぎ、飽きてしまう恐れがあります。このため、MBSRの特徴を生かしつつ効果的に、今の瞬間の体験に気づきを向け、あるがままに知覚して、それに対する思考や感情には囚われない心の持ち方を獲得することをめざして、集約したプログラムを考えました。

前提となる練習スケジュールは、毎日1回の練習(45分)を行い、週末には2時間の練習を行うものとします。
1 毎日の練習
  ボディ・スキャン瞑想(12分)→ 慈悲の瞑想( 3分)→ 静座瞑想(30分)

2 週末の練習
  ヨーガ瞑想(15分)→ ボディ・スキャン瞑想(12分)→ 慈悲の瞑想( 3分)→ 
静座瞑想(30分) → 歩行瞑想 (15分)→ 静座瞑想 (45分) 

3 ボディ・スキャン瞑想(集約版)
静座瞑想の姿勢で行いましょう。
(1)息を吸うときに、息が鼻孔から入り、腹部が膨らむのを感じましょう。
    吐くときは、腹部がへこみ、鼻から出ていくのを感じましょう。[中へと呼吸する]
         ゆったりとした気持ちで2分間ほど呼吸しましょう。

(2)注意を左足の指先の感覚にもたらし、あらゆる感覚と[共に呼吸する]ようにしましょう。左足の指先の感覚を探求しながら、息にも注意しましょう。次に足の裏、甲、かかと、足首、左足全体に穏やかで探るような気づきをもたらしましょう。
 
(3)以下、ふくらはぎ、向こうずね、膝から順に身体全体に注意を移動させましょう。

(4)身体全体をスキャンした後、全体としての身体の感覚に気づき、呼吸の流れが身体を自由に出たり入ったりすることに気づきを向けましょう。
             

4 慈悲の瞑想 (私流にアレンジしてあります)

この瞑想を規則正しく行っていると、心をやわらげる効果があり、自分自身に対しても人に対しても暖かい気持ちをいだくことができるようになりました。(ジョン・カバットジン MBSR  P313

(1)「自分自身」に対し慈悲を送りましょう。(心の中で3回繰り返しましょう)
    (エゴに執着する)  苦しみから離れ 
                       こころ安らかに 
                       幸せでありますように 

(2)「自分が尊敬したり、好意を持ったりしている人」を目の前に思い浮かべ、慈悲を 送りましょう。(心の中で3回繰り返しましょう)
         苦しみから離れ こころ安らかに 幸せでありますように 

(3)「すべての人々」に対して慈悲を送りましょう。(心の中で3回繰り返しましょう)   
         苦しみから離れ こころ安らかに 幸せでありますように

5 静座瞑想
  それぞれの進み具合に応じ、以下の各項目を実施します。
  (1)及び(2)の段階において「かなりの集中力」を高めましょう。

(1)呼吸と共に座る
 ① 身体から息が出入りするときの「鼻先」と「下腹部」の感覚に注意を向けましょ
      う。[中へと呼吸する]
② 注意がもはや呼吸に向いていないと気づいたら、心がどこに行ったのかを簡単に知
    り,それから呼吸の身体感覚にやさしく注意を戻しましょう。

(2)呼吸と体の一体感を味わいながら座る
   ① 呼吸のたびに空気が鼻孔の縁に触れる感覚を意識します。観察する一点に軽く心を
      留め、そこから意識を逸らさないようにしましょう。
   ② 呼吸に集中する自信がついたら、座っている自分の身体と呼吸は一体であるという
      感覚を意識し、呼吸と体の一体感を味わいましょう。心がさ迷いだしたら、座って
      呼吸している体に注意を引き戻してください。

(3)音とともに座る
 ① 注意を遠くの音へと向け、気づきが広がるのにまかせましょう。 
 ② どんな方向からの音に気づけるように心をオープンにし、感覚としての音に気づき
      ましょう。

(4)特定の身体感覚とともに座る
   ① 呼吸に対する気づきが安定した後、身体に感ずる何か別の感覚が強くなったら、気
      づきを呼吸から身体感覚に移動させましょう。
② ボディ・スキャンで練習したように身体部位から「息を吸い込み」、そこから「息
    を抜く」ことにより、やさしく、オープンな気づきを向けましょう。

(5)心の中の思いとともにともに座る
   ① 呼吸に対する気づきが安定したら、浮かんでくる思考や思考のプロセスに意識を向
      けましょう。
② 思考を追わなければいけないと思うことなく、思考を心の中の出来事として感じ取
    りましょう。

(6)あるがままの意識とともに座る