2013年7月25日木曜日

不知火病院のうつ病治療法

福岡県大牟田市の不知火病院は、地方都市にある民間の中規模病院だが、1989年に日本初のうつ病専門治療施設「ストレスケアセンター」を開設して以来、先進的な医療機関として注目を集めてきた。

2003年からは復職支援を本格始動させ、10年経った現在は入院患者向け1種、外来患者向け2種のプログラムを開いている。各プログラム導入者の復職率は、直近データで86100%というハイスコアだ。

不知火病院には、この病院ならではの特徴がいくつもある。「薬をなるべく使わない」という治療スタンスもその1つだ。徳永雄一郎院長が説明する。

「薬物療法も必要ですが、それだけでうつ病が治るかといったら、簡単にはいきません。薬で症状が治まったとしても、いずれ再発してしまう可能性が非常に高いのです。うつ病の再発率は、最初の発症から5年以内で3040%、10年以内では7080%といわれています。だから再発させない治療こそが重要で、そのためには心理的なアプローチが必要です。うつ病を患った原因は何なのか。本人の性格要因なのか、職場の要因か、家庭の要因か。そこを丁寧に調べながら、1人ひとりに合った治療をしていくのです」

うつ病患者には、とにかく抗うつ薬を処方。調子が上向かなければ薬を増量、あるいは他の薬を追加。再診以降はいわゆる3分間診療……。それが一般的なうつ病治療の現実だ。だが、不知火病院は薬物療法を「対症療法」と位置づけ、より根本的な治療として、認知行動療法をはじめとしたカウンセリングに力点を置いている。

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