2013年3月17日日曜日

集約した練習法


 ジョン・カバットジン博士が開発したマインドフルネス・ストレス逓減法(MBSR)では、
  1~2週 ボディ・スキャン 45分、静座瞑想10
  3~4週 ボディ・スキャン又はヨーガ瞑想 45分、静座瞑想20
  5~6週 ヨーガ瞑想又は静座瞑想 45
   7週 自由な組み合わせ 45
   8週 独自のプログラムづくり
  という形で8週間のプログラムが示されています。

しかし、一般の日本人がこのままの形で実践するのは時間がかかりすぎ、飽きてしまう恐れがあります。このため、MBSRの特徴を生かしつつ効果的に、今の瞬間の体験に気づきを向け、あるがままに知覚して、それに対する思考や感情には囚われない心の持ち方を獲得することをめざして、集約したプログラムを考えました。

前提となる練習スケジュールは、毎日1回の練習(45分)を行い、週末には2時間の練習を行うものとします。
1 毎日の練習
  ボディ・スキャン瞑想(12分)→ 慈悲の瞑想( 3分)→ 静座瞑想(30分)

2 週末の練習
  ヨーガ瞑想(15分)→ ボディ・スキャン瞑想(12分)→ 慈悲の瞑想( 3分)→ 
静座瞑想(30分) → 歩行瞑想 (15分)→ 静座瞑想 (45分) 

3 ボディ・スキャン瞑想(集約版)
静座瞑想の姿勢で行いましょう。
(1)息を吸うときに、息が鼻孔から入り、腹部が膨らむのを感じましょう。
    吐くときは、腹部がへこみ、鼻から出ていくのを感じましょう。[中へと呼吸する]
         ゆったりとした気持ちで2分間ほど呼吸しましょう。

(2)注意を左足の指先の感覚にもたらし、あらゆる感覚と[共に呼吸する]ようにしましょう。左足の指先の感覚を探求しながら、息にも注意しましょう。次に足の裏、甲、かかと、足首、左足全体に穏やかで探るような気づきをもたらしましょう。
 
(3)以下、ふくらはぎ、向こうずね、膝から順に身体全体に注意を移動させましょう。

(4)身体全体をスキャンした後、全体としての身体の感覚に気づき、呼吸の流れが身体を自由に出たり入ったりすることに気づきを向けましょう。
             

4 慈悲の瞑想 (私流にアレンジしてあります)

この瞑想を規則正しく行っていると、心をやわらげる効果があり、自分自身に対しても人に対しても暖かい気持ちをいだくことができるようになりました。(ジョン・カバットジン MBSR  P313

(1)「自分自身」に対し慈悲を送りましょう。(心の中で3回繰り返しましょう)
    (エゴに執着する)  苦しみから離れ 
                       こころ安らかに 
                       幸せでありますように 

(2)「自分が尊敬したり、好意を持ったりしている人」を目の前に思い浮かべ、慈悲を 送りましょう。(心の中で3回繰り返しましょう)
         苦しみから離れ こころ安らかに 幸せでありますように 

(3)「すべての人々」に対して慈悲を送りましょう。(心の中で3回繰り返しましょう)   
         苦しみから離れ こころ安らかに 幸せでありますように

5 静座瞑想
  それぞれの進み具合に応じ、以下の各項目を実施します。
  (1)及び(2)の段階において「かなりの集中力」を高めましょう。

(1)呼吸と共に座る
 ① 身体から息が出入りするときの「鼻先」と「下腹部」の感覚に注意を向けましょ
      う。[中へと呼吸する]
② 注意がもはや呼吸に向いていないと気づいたら、心がどこに行ったのかを簡単に知
    り,それから呼吸の身体感覚にやさしく注意を戻しましょう。

(2)呼吸と体の一体感を味わいながら座る
   ① 呼吸のたびに空気が鼻孔の縁に触れる感覚を意識します。観察する一点に軽く心を
      留め、そこから意識を逸らさないようにしましょう。
   ② 呼吸に集中する自信がついたら、座っている自分の身体と呼吸は一体であるという
      感覚を意識し、呼吸と体の一体感を味わいましょう。心がさ迷いだしたら、座って
      呼吸している体に注意を引き戻してください。

(3)音とともに座る
 ① 注意を遠くの音へと向け、気づきが広がるのにまかせましょう。 
 ② どんな方向からの音に気づけるように心をオープンにし、感覚としての音に気づき
      ましょう。

(4)特定の身体感覚とともに座る
   ① 呼吸に対する気づきが安定した後、身体に感ずる何か別の感覚が強くなったら、気
      づきを呼吸から身体感覚に移動させましょう。
② ボディ・スキャンで練習したように身体部位から「息を吸い込み」、そこから「息
    を抜く」ことにより、やさしく、オープンな気づきを向けましょう。

(5)心の中の思いとともにともに座る
   ① 呼吸に対する気づきが安定したら、浮かんでくる思考や思考のプロセスに意識を向
      けましょう。
② 思考を追わなければいけないと思うことなく、思考を心の中の出来事として感じ取
    りましょう。

(6)あるがままの意識とともに座る

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