2013年2月2日土曜日

静座瞑想

〇 マインドフルネス瞑想では、自分の呼吸に注意を集中し、そのあいだに起こることを観察します。呼吸に意識を集中するということは、呼吸をコントロールしたり、呼吸について考えたりすることではなく、呼吸に意識を置き、呼吸にともなって生じてくる感覚を感じるということです 。

〇座る姿勢 
1 頭と首と背筋を一直線にして、垂直に坐りましょう。 座るのは椅子でも床でもかまいません。 床に座る場合は、どちらか一方の足のかかとを会陰部につけて、折り曲げたもう一方の足 をその手前に持ってきましょう。(ビルマ人のあぐら)可能なら「半跏趺坐」や「結跏趺坐」でも良いでしょう。
クッションの高さを調整して、膝を床につけ、楽な姿勢でしっかりと安定感が得られようにしましょう。 椅子を使うのなら、背骨で身体を支えるように、椅子の背から離れてすわりましょう。

2 手は、お腹の前に左手の手のひらを上にして軽く置き、その上に右手の甲を重ねましょう。
両膝の上に両手のひらを上に向け、軽く乗せる形でも良いでしょう。
3 目は静かに閉じましょう。「半眼」でも良いでしょう。

   


〇 呼吸と共に座る
息を吸うと、鼻先から空気が入ってきて、鼻孔を通過する空気の流れが鼻孔の縁に触れる感覚とお腹が膨らむ感覚が感じられます。息を吐くと、お腹が縮む感覚と空気が鼻孔を通り過ぎ、鼻先から出て行く感覚が感じられます。
1 呼吸の流れへに向かって意識を集中します。
穏やかに、身体の感覚の変化に「気づき」を向け、息の始まりと終わり、息と息との小休止にも注意を向けましょう。
2 遅かれ早かれ、呼吸の感覚から注意が離れ、さまざまな思考、計画、空想など、心はあちこちさまよっていくでしょう。これはまったくOKなのです。注意がもはや呼吸に向いていないと気づいたら、心がどこに行ってしまっていたのかを簡単に確認し、(「考えている」など)、それから身体感覚の変化に注意を穏やかに戻しましょう。
3  呼吸に伴う身体感覚に注意を向けるための補助的な手段として、呼吸にあわせて数を1から10まで数える方法や「ラべリング」(「膨らむ」、「縮む」)などを試してみましょう。     

                      
〇呼吸と体の一体感を味わいながら坐る
1 集中力を高めるため、呼吸の流れを観察する範囲を狭め、鼻孔を出入りする空気が鼻孔の縁に触れる感覚を観察の対象としましょう。呼吸のたびに空気が鼻孔の縁に触れることを意識します。観察する一点に心を留め、そこから意識を逸らさないようにしましょう。
 (2012年11月の総持寺でのワークショップにおいて、J.カバットジン博士は鼻先に意識を置くようにコメントしていました。)
2  心はくり返し、身体感覚からさまよい離れますが、それは自然なことで、けっして間違いや失敗ではありません。気づきが身体感覚から離れてしまったことに気づいたら、目が覚めた自分をほめてあげても良いでしょう。
3 呼吸への気づきがほどよく安定したと感じたら気づきの領域を鼻孔の縁から拡大して、座って呼吸している身体全体のとしての感覚にも注意を向けるようにしましょう。座っている自分の身体と呼吸は一体であるという感覚を意識し、呼吸と体の一体感を味わいましょう。

〇音とともに坐る
1 気づきの焦点を、身体感覚から聴くことへと移します。注意を耳へと向け、気づきが広がるのにまかせます。そうすると、音が起こるとそれがどこで起こっていようが、すぐに気づくようになります。

2 音を探したり、特定の音を聞こうとしたりする必要はありません。そのかわり、どんな方向からの音にもすぐに気づけるように、できるだけ心をオープンにします。あなたの周囲のすべての音の空間にオープンでいます。はっきりした音、よりわずかな音に気づき、音と音との間にある空間に気づき、静けさに気づきます。
3 できるだけ、感覚としての音に気づいてください。あなたが音について考えていたら、その音の意味やそこから推測されることではなく、感覚の質(音の高さ、音色、音量、音の長さなど)にできるだけ気づきを戻します。
4 その瞬間の音に焦点をあてていないと気づいたときには、心がどこに動いたのか穏やかに認め、瞬間・瞬間に生じ、消えていく音に気づきを戻します。

(これからのエクササイズにはかなりの集中力が必要です。最初の段階では、しばらく念じ、感情や思考の力を抑え、ラべリングなどをしたら再び呼吸の感覚に戻りましょう。


〇特定の身体感覚とともに坐る
練習における基本的方針は瞬間ごとの体験において最も優勢なものにマインドフルに気づくようになることです。セッションが長くなると、背中、膝など身体のどこかの部位で特に特に強い感覚が生じるかもしれません。気づきが呼吸から身体的不快感や感情に関連する特定の身体感覚へと離れて行っていることに気づいたときには、もっとも強い感覚のある身体部位へ意図的に気づきの焦点を移動させ、その身体感覚にマインドフルに気づくようになることが第1段階です。ボディスキャンで練習したように息を吸いながらその身体部位へ「息を吸い込み」、息を吐きながらそこから「息を抜く」ことにより、そこへやさしく友好的な気づきを向けてみましょう。


〇心の中の思いとともにともに坐る
1  呼吸に対する気づきが安定したら、思考に意識を向けましょう。
2 思考にはまり込んでしまうと、自己と思考を分けるのが難しくなります。思考は心をさらっていってしまい、瞬時に、私たちは遠くに運ばれてしまいます。思考を追わなければいけないと思うことなく、思考を心の中の出来事として感じ取るようにしましょう。目を閉じて、映画館に座ってからっぽのスクリーンを見ていると想像するのも良いでしょう。そしてただ思考がわき起こってくるのを待ちましょう。


 
〇あるがままの意識とともに坐る
何もせずに、何にも注意せずに、ただ坐りましょう。何かに執着したり、何かをもとめたりしないようにしましょう。意識を完全に開放し、意識の領域に入ってきたもの(過去の記憶、感情、意志など)はすべて受け入れ、去っていくものは去るにまかせて、それをじっと観察しましょう。
J.カバットジン博士は意識そのものを意識すると表現していました。)

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