2013年2月3日日曜日

うつ病の診断基準(DSM-IV-TR)




  • A) 以下の症状のうち5つ(またはそれ以上)が同じ2週間の間に存在し、病前の機能からの変化を起こしている。これらの症状のうち少なくとも1つは、(1)抑うつ気分または(2)興味または喜びの喪失である。
    注:明らかに、一般身体疾患、または気分に一致しない妄想または幻覚による症状は含まない。
    • (1) その人自身の言明(例:悲しみまたは、空虚感を感じる)か、他者の観察(例:涙を流しているように見える)によって示される、ほとんど1日中、ほとんど毎日の抑うつ気分。
      注:小児や青年ではいらだたしい気分もありうる。
    • (2) ほとんど1日中、ほとんど毎日の、すべて、またはほとんどすべての活動における興味、喜びの著しい減退(その人の言明、または他者の観察によって示される)。
    • (3) 食事療法をしていないのに、著しい体重減少、あるいは体重増加 (例:1カ月で体重の5%以上の変化)、またはほとんど毎日の、食欲の減退または増加。
      注:小児の場合、期待される体重増加が見られないことも考慮せよ。
    • (4) ほとんど毎日の不眠または睡眠過多。
    • (5) ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止(他者によって観察可能で、ただ単に落ち着きがないとか、のろくなったという主観的感覚ではないもの)。
    • (6) ほとんど毎日の易疲労性、または気力の減退。
    • (7) ほとんど毎日の無価値観、または過剰であるか不適切な罪責感(妄想的であることもある。単に自分をとがめたり、病気になったことに対する罪の意識ではない)。
    • (8) 思考力や集中力の減退、または決断困難がほとんど毎日認められる(その人自身の言明による、または、他者によって観察される)。
    • (9) 死についての反復思考(死の恐怖だけではない)、特別な計画はないが反復的な自殺念慮、自殺企図、または自殺するためのはっきりとした計画。
  • B) 症状は混合性エピソードの基準を満たさない。
  • C) 症状は、臨床的に著しい苦痛、または、社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
  • D) 症状は、物質(例:乱用薬物、投薬)の直接的な生理学的作用、または一般身体疾患(例:甲状腺機能低下症)によるものではない。
  • E) 症状は死別反応ではうまく説明されない。すなわち、愛する者を失った後、症状が2カ月を超えて続くか、または、著明な機能不全、無価値観への病的なとらわれ、自殺念慮、精神病性の症状、精神運動抑止があることで特徴づけられる。
American Psychiatric Association:Diagnostic and statistical manual of mental disorders 4th edition,Text Revision,2000
(高橋三郎、大野裕、染矢俊幸(訳):DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引,医学書院,2002)

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